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エンジンにとってベストな慣らし方法とは【その2】
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
前回、今回と2回に渡って、いつもの仕事関連の内容とは違った、『エンジン慣らし』について記載しています。
非常にマニアックな情報でもありますので、どれだけの方にとって有用な情報となるかはわかりませんが、私のブログをご覧頂いている方は車好きで、車を大事にされる方が多いのではないかと考え、記載をしている次第です。
さて、前回のブログにて、昨今必要無いと言われているエンジン慣らしについて、『エンジンにとってベストな慣らし方法とは【その1】』として、慣らし運転の必要性について記載して参りましたが、次回は【その2】として、エンジン開発を行っていた知見から、私がベストと考える慣らし方法についてご紹介致します。
※今回も文書ばかりです。。。
早速ですが、エンジンを長い間に渡って良い状態に保ち、且つ、エンジンの実力を最大限発揮させる為に私が良いと考える方法を以下に記載致します。
①走行距離 0~300km
⇒エンジン回転数はレッドゾーン回転数の40%以下、アクセル開度は25%(1/4)以下で、出来るだけ優しい運転を心掛ける
②走行距離 300~800km
⇒エンジン回転数はレッドゾーン回転数の50%以下、アクセル開度は50%(1/2)以下で、急加速しない範囲で通常の運転でOK
③走行距離 800~1300km
⇒エンジン回転数はレッドゾーン回転数の75%以下、アクセル開度は75%以下で、徐々に負荷のかける運転を心掛ける
④走行距離 1300~1500km
⇒何も縛りは無し。可能な限り高回転までエンジン回して加速を行うなど、エンジンに負荷が大きく高温となる状況を定期的に作ることを心掛ける
以上です。
上記の方法は、最高のエンジン状態が求められるエンジン開発における方法を基にしていますが、実際には一定負荷、一定回転数に保つことはできませんし、長時間のアクセル全開高負荷運転などは不可能ですので私なりの知見で公道で実施しやすい様にと考えたものです(開発では一定負荷、一定回転数で慣らしを行い、距離では無く時間で管理していました)。
また、上記の通りに慣らしを行うことで100%エンジンが良い状態になることを保証するわけではありませんし、距離、回転数が違うと性能が発揮されないという訳では無いので、あくまで大体の目安として考えて頂き、お客様のご都合に応じてアレンジして頂いても宜しいかと存じます。
とにかく、キーポイントは、『極初期にあまり大きな負荷をかけない』ということと、『慣らしの仕上げは可能な限り大きな負荷をかける』ということです。
最低限、この2点のキーポイントを心掛けて頂ければ、良いエンジンに育ってくれるのではないでしょうか。
理由に関しては、『エンジンにとってベストな慣らし方法とは【その1】』の中で簡単に触れていますので、ご参照下さい。
くれぐれも、高負荷が必要だからと無理をしてエンジンを回したり、法令遵守を怠ったりしない様にお願い致します。
例えば、高速の合流時や料金所からの加速時に制限速度まで強い加速を行うなど、常識の範囲内での運転で大丈夫です。
最後に・・・
2回に渡ってエンジン慣らしについて記載して参りましたが、このエンジン慣らしについては決まりがある訳でもありませんし、効果を保証するものでもありません。
よって、慣らしの必要性についても記載致しましたが、『やらないよりもやった方がベター』ぐらいの軽い気持ちで行って頂ければと思います。
また、実際に行った場合と行わなかった場合で、体感できる程の変化があるかはその人の感覚次第ですし、非常に細かいミクロ観点での話とも言えますので、繰り返しになりますが『へぇ~、そうなんだ、目安にしてみよ~』ぐらいな感覚で車好きの方の慣らし運転を楽しむ一つの要素にして頂ければ幸いです。
では、失礼致します。