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無限パーツ満載 カスタマイズ多数 走行距離少ない56,200km 程度極上 HONDA BEAT 販売前メンテナンス ブローバイガス確認
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
先日ブログにて入庫のご案内をさせて頂き、既にご成約を頂戴しております『無限パーツ満載 カスタマイズ多数 走行距離少ない56,200km 程度極上 HONDA BEAT』ですが、販売前メンテナンスを実施致しましたので、作業の様子をご紹介しております。
※車両の概要はこちら ⇒ 無限BEAT 入庫しました
前回はエンジンルーム確認としてプラグ確認、点火時期確認、アイドリング回転数調整などの様子をご紹介致しましたが、今回は【ブローバイガス確認編】として、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるブローバイガスの状態確認とエアクリーナーケース内の清掃、トランクルームの清掃を実施しましたので、その様子をご紹介致します。
※外装清掃の様子はこちら ⇒ 無限BEATメンテ外装清掃
※内装清掃の様子はこちら ⇒ 無限BEATメンテ内装清掃
※錆確認の様子はこちら ⇒ 無限BEATメンテボディー確認①
※フロントの様子はこちら ⇒ 無限BEATメンテボディー確認②
※リア確認の様子はこちら ⇒ 無限BEATメンテボディー確認③
※エンジンルームメンテの様子はこちら ⇒ 無限BEATメンテエンジンルーム確認
弊社で販売させて頂きますBEATにおきましては、エアクリーナーケース内におけるブローバイガスの状態を必ず確認しております。
ブローバイガスとは、ガソリンが燃焼室内で爆発した際に、シリンダーとピストン、ピストンリングの間から抜け出てくるオイルを含んだガスのことで、調子が良いエンジンでも必ず発生するものですが、ピストンリング破損や固着、ピストン本体のリング溝摩耗、そしてシリンダー壁面の摩耗や傷が進行したエンジンではブローバイガスの量が過度に多くなります。
そして、BEATにおいてはブローバイガスはクランクケースからエンジンヘッドカバーを通りエアクリーナーケース内に入る構造となっている為、エアクリーナーケース内のブローバイガスの吐出状況を確認することによりエンジンの状態をある程度図り知ることが出来ます(ブローバイガス経路は下図参照)。
一概には言えませんが、エアクリーナーケース内部がブローバイガスでドロドロの車両はピストンやピストンリング、シリンダーの状態が芳しくなく、逆にブローバイガスが少ないとそれらのパーツの状態は健全と言えます(ブローバイガスが少ないからと言って必ず状態が良いとは言えませんが、少なくともブローバイガスが過度に多いエンジンは状態が良くないと言えます)。
BEATのエンジンは基本的に耐久性が高く、しっかりメンテナンスを行っていればエンジン本体におけるトラブルをあまり心配する必要はありませんが、距離を重ねている車両が多く、高回転を多用する車両で御座いますので、より確実にエンジンの状態を判断し、自信をもってお客様にご案内できる様に、弊社ではBEAT全車両におきましてブローバイガスの確認を行っている次第で御座います。
加えて、BEATではオイル消費の激しい車両も見受けられますが、オイル消費にも関係している為、ブローバイガス状態確認はエンジンの状態を図り知る為の必須な作業と考えております。
ということで作業に入りますが、メイン目的であるエアクリーナーケース内部の確認に入る前にまずはトランクルームの清掃から行います。
清掃を行うにあたっては、隅々まで綺麗にする為、そしてボディーのトランクフロア状態確認を行う為に、トランクマット、バッテリー、バッテリーケース、助手席側テールライトカバー、そして本車両は純正CDチェンジャーが装着されておりますので、CDチェンジャーとメンテナンスリッドなど全て取り外してから行います。
ここで修復歴有無の確認の一環としてトランクフロアの確認を行いますが、フロアに歪みや塗装跡が無く、車両後端のシーラーの状態も純正のままですので、リアにおいては事故歴や修復した形跡がないことが改めて確認できました。
そして清掃に入りますが、特にトランクルームの端はバッテリーなどを外さないと手が入らないところで、ホコリなどが多く堆積しておりますので、エンドパネル側のテールライト部分まで含め綺麗にします。
助手席側もトランクマットやテールライトカバーが装着されており、なかなか清掃できない部分ですので、しっかり清掃しておきます。
これでトランクフロアは隅々まで綺麗になりました。
清掃前後ではトランクフードを開けた際の印象が以外と違うものです。
トランクフロアの清掃が終わりましたら、続いてブローバイガスの状態を確認すべくエアクリーナーケース内部確認へ移ります。
因みに、水に良く濡れてきた車両においては、このメンテナンスリッド固定部分の下側パネルに錆が進んでいる車両もありますが(トランク部分から入った水が溜まりやすいため)、本車両は全く錆が見られません。
そして、エアクリーナーケースカバーを固定している6本のビスを緩めてエアクリーナーエレメントと共にカバーを取り外しますと、ようやく今回の目的であるエアクリーナーケース内部を確認することができます。
上の写真がカバーを取り外したところですが、非常に綺麗な状態であり、エアクリーナーケース下部に薄っすらと油分が付着している程度ですので、ブローバイガスの量に関しては全く問題無いことが確認できました。
エンジンにおけるピストンリングの劣化やシリンダー摩耗などが原因でブローバイガスが多量に発生している車両ですと、ケース内部に多量のオイル分が付着していたり、下部にオイル分が溜まっている車両もありますので、この状態から本車両のエンジンの状態は良好であると伺い知ることができます。
因みにで御座いますが、本車両にはスロットル部分にエアファンネルが装着されております。
このエアフェンネルの効果としては、吸気経路の長さを少し長くすることで、空気脈動の関係からノーマルよりも低回転域のトルクアップが期待できるというものです。
本車両は吸排気系に加え、ECUセッティングまで変わっておりますので、このパーツ単体の効果はわかり兼ねますが、トータルでBEATとしては低回転からトルクフルであるということはハッキリ感じることができます。
これでブローバイガスの状態に関して問題無いことが確認ができましたので、次に開けた際に状態変化を知ることができる様にクリーナーを用いてケース内を清掃致します。
ケース内を綺麗に致しましたら、ブローバイガスの状態確認と致しましては完了となります。
続いてですが、エアクリーナーカバーを取り外したときに驚いたことがありまして、、
なんと、エアクリーナーエレメントが装着されたままの状態でした。
といいますのも、本車両は吸気経路の先端にHKSのスーパーパワーフローが装着されておりますので、スーパーパワーフローのエレメントに加えて純正エレメントと2重のエレメントが装着されていたことになり、せっかくスーパーパワーフローで吸気抵抗低減を図っているにも関わらず、純正よりも吸気抵抗が大きくなってしまっている状態となります。
因みに、エアクリーナーカバーにおきましては、純正エアクリーナーエレメントを除去した際にエアクリーナーケース全体がクリーンサイドになることを想定して、水抜き穴をしっかり閉じる加工までされていたので(前オーナー様か作業をされた業者様さすがです)、恐らくは、スーパーパワーフローを取り付けた際には純正エレメントを除去したものの、その後のメンテナンスの際にどこかの業者様がスーパーパワーフローが取り付けられていることを知らず、エアクリーナーエレメントを取り付けてしまったということだと思います。
とにかく、せっかくHKSスーパーパワーフローが取り付けられておりますので純正のエアクリーナーエレメントは除去致しますが、ここで困ったことに純正状態においては純正エアクリーナーエレメントの淵に取り付けられているゴムパッキンがシールの役目を果たす構造となっておりますので、純正エアクリーナーエレメントを除去するとシールの役目を果たす部品が無くなってしまいます。
HKSの取り付け説明書では純正エアクリーナーエレメントを除去した後そのままカバーを取り付けることになっているので問題無いと思いますが、厳密に言うと少しでもホコリ等が入ってしまうリスクがあることに加え、せっかく水抜き穴を加工までしてホコリなどが入らない様にしてあるので、なんとかシールする方法が無いか考えた末、、、
純正エアクリーナーエレメントのゴムパッキンを取り外し、単体で使用することにしました。
ただし、このままゴムパッキンだけの状態ですと、ふにゃふにゃでエアクリーナーカバーを取り付けた際にテンションがかからず、シールの役目をはたしてくれない事に加え、エアクリーナーケースの中にパッキンが落ちてしまう恐れがあるので、パッキンの内側に新たにゴム板を入れ込んで接着剤で固定し取れない様にし、エアクリーナーカバーを取り付けた際にパッキンにテンションが掛かる様に工夫しました。
これでカバーを取り付けた際にパッキンが潰れる方向に力が加わり、シールの役目を果たしてくれることに加え、テンションが掛かることで内部のゴムも取れないと一石二鳥です。
更に、念には念を入れてパッキンをカバー側に強力な両面テープで固定したので、もう取れることは無いと思います。
これで各種確認作業は終わりですので、エアクリーナーカバーを清掃した上で元に戻します。
あとは、取り外してあるバッテリーケース、テールライトカバー、トランクマットを清掃を行った上で元に戻し、、、
最後にバッテリーとCDチェンジャーを取り付けましたら、エアクリーナーケース内部におけるブローバイガスの状態確認及びトランクルーム内の清掃は完了となります。
これにて、ブローバイガス量も問題が無いことが確認でき、前回のエンジンルーム状態確認と各種調整の結果と併せまして、本車両におけるエンジンの状態は大変良好であることが改めて確認できました。
試走によるエンジンのフィーリングや音などから調子が良いことはわかるのですが、これで私の感覚だけでなく改めて事象から確認ができたという形になります。
加えて、エアクリーナーエレメントの件で、本来の性能を発揮できていない状態であったことが改善できて、何よりで御座います。
『本来の性能を発揮できていない』というのは凄く気持ち悪いので。。。
※吸気音が気持ち大きくなったように感じます
ということで、2回に分けてエンジンにまつわる確認や調整作業の様子をご紹介して参りましたが、次回からは本BEATおける販売前メンテナンス最後のパートとなります、【足廻り状態確認編】として、サスペンション等のシャシー部品や足廻りのゴム部品の状態確認及び清掃作業の様子をご紹介致します。
では、失礼致します。
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