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TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。

この度、入庫致しました『無限パーツ満載 走行距離44,100km 希少な最終110系 HONDA BEAT VersionZ』ですが、販売前メンテナンスを実施致しましたので、作業の様子を順次ご紹介しております。

※車両の概要はこちら ⇒ HONDA BEAT 入庫しました

前回までボディーの状態確認及び清掃の様子をご紹介致しましたが、今回は【エンジンルーム状態確認編】として、エンジンルームのチェック及び清掃、プラグ確認、点火時期確認、アイドリング回転数調整、アクセルワイヤー調整の様子をご紹介致します。

※車両の概要はこちら ⇒ HONDA BEAT 入庫しました
※外装清掃の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテ外装清掃
※内装清掃の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテ内装清掃
※錆確認の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテボディー確認①
※フロント確認の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテボディー確認②
※リア確認の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテ ボディー確認③

エンジンルームにおける各機能の状態確認は車両の状態を把握する上で重要なパラメーターであり、当然ですが全ての機能が問題無く動作してはじめて本来の性能を発揮します。

例えばエンジンに関しては、スパークプラグが本来の火花性能を持っていなかったり、点火時期が適正なタイミングでないなど、何か一つの機能が劣化及び適切な状態でないと、本来の性能を発揮することができません。

そこで、エンジン内部の状態は目で見ることができませんので次回にご紹介致しますブローバイガスの状態確認から推測することとなりますが、少なくともエンジンルームにおいて目に見える部分に関しては自分の目で確認し、交換が必要な部品は交換を行い、調整できる部分は調整を行った上でご納車させて頂きたいと考えております。

因みに、BEATは現代の車とは違い、エンジンの性能に直結する点火時期やアイドリング回転数をはじめ調整可能なものがある為、お客様にBEATが本来持つ性能を味わって頂くべく、弊社では必ずエンジンルーム内の確認と、各種調整作業を行っている次第で御座います。

では、早速エンジンルーム確認作業に入りますが、まずはスクリーンのファスナーを外し、幌後部の固定ボルトを6本を外して幌とスクリーンをめくります。

そして、マットを車外に出しますとエンジンルームにアクセスするためのメンテナンスリッドが現れます。

ホコリが少し多めの印象ですが、錆などは無く綺麗な状態です。

また、リアトレイフロントマットの樹脂部分は劣化でボロボロの車両も多いですが、本車両は綺麗な状態を保っております。

メンテナンスリッドを外す前に、汚れが溜まり易い室内側の奥をはじめリアトレイ廻りを隅々まで清掃を行います。

助手席側も。。。

これでリアトレイ廻りが綺麗になりましたので、続いてメンテナンスリッドを固定している4本のボルトを緩めて車外に出し、エンジンルーム内の確認へと入ります。

ホコリが多い状態でしたが、ヘッドカバーやシリンダーヘッドなどからオイル漏れ、滲み、エアコンベルトやジェネレーターベルトの状態、張りは問題無いか等、全体的に目視及び手感によるチェックを致しますが、特に気になる点はございません。

目視で一通り確認致しましたら、ホコリを落とすために清掃を行います。

ホコリを取り除くと、大変綺麗なエンジンルームになりました。

改めて確認致しますと、エンジンルームにおいても鉄部品含め、とにかく錆が少なく、樹脂部品やゴム部品、ヘッドカバーなども含めて大変状態の良いエンジンルームです。

パッと目につくところですと、プラグコードが永井電子製のシリコーンプラグコードに交換されていることがわかります。

見た限り、大変綺麗な状態なので、交換されてからさほど距離は走っていないと考えられます。

エンジンルームの確認と清掃が終わりましたら、続いてスパークプラグの点検に移ります。

プラグは、焼け色や状態を確認することで、燃焼室内部の異常や、インジェクターのトラブルなどを発見することができる重要なバロメーターであり、摩耗状態などを見ることで今後のメンテナンス情報として役に立ちます。

本車両のプラグはNGK製のイリジウムプラグ（熱価6番）が装着されており、状態としましても、3本共にガイシ部分の焼け色は良好であり、大変綺麗なことからエンジンの燃焼状態が良好であることがわかります。

プラグ本体の状態としましても、中心電極、側方電極共に摩耗等問題無く、プラグコードと同様に交換後さほど距離を重ねていないことがわかりますので、今回は交換せず引き続きこのプラグを使用することに致します。

因みに、プラグの取り付けに伴いましては、規定トルク（もしくは回転角）での締め付けが必要なポイントですので、しっかり規定トルクで締め付けを行います。

BEATのシリンダーヘッドはアルミ製ですので、オーバートルクはネジ山を舐めて取返しの付かないことになってしまいます。

プラグの状態確認が終わりましたら、続いて点火繋がりであります、エンジン点火時期の確認を行います。

エンジンにおける点火時期というのは、燃焼状態を司り、エンジンが本来持つエンジンパワーを引き出す為の大変重要なファクターであり、点火時期が遅すぎると本来のパワーを発揮できず、早すぎると異常燃焼（ノッキング等）の発生によりエンジンの耐久性にも影響を及ぼしてしまうので、点火時期はメーカーが規定した適切なタイミングである必要があります。

尚、点火時期の確認はミッションケース上部にあるゴムキャップを外して行うことになりますが、確認方法としては、各点火時期補正が入らない様にエンジンを十分に暖めた状態（ラジエターファン2回作動後）でサービスカプラを短絡させて、アイドリング回転数にてタイミングライトを用いて確認を行います。

点火時期とは関係ない話ですが、サービスカプラーが1度も使用された形跡がありません。

久しぶりに使用されたことの無い状態を見ましたが、サービスカプラーはトラブル発生時にエラーコードを確認するためにも使用するものですので、今までそのようなトラブルになる前にしっかりと予防対応してきたということだと思います。

話が逸れましたが、タイミングライトを用いて点火時期確認した結果ですが・・・

ミッションケースから出ている針とフライホイールの点火マーク（赤い線）がぴったりと一致しており、点火時期がきっちり規定タイミングであることが確認できました。

低回転域でアクセルを踏み込んだ際のピックアップの鋭さや、高回転域でのスムーズな吹け上がりなどから、点火時期が合っているとは予想しておりましたが、感覚だけで無く、目で見てしっかりと確証が持てました。

点火時期の確認が終わりましたら、続いてはアイドリング回転数の調整を実施致します。

本車両は、アイドリング回転数においても規定値回転数である1200r/minにて安定しておりましたが、確認の意味も含めて作業手順に従って調整作業を実施致しました。

調整方法としては、エンジンが十分に暖まった状態（ラジエターファン2回作動後）且つ、無負荷状態でEACVのカプラーを外し、アイドルスクリューバルブにてエンジン回転数が850r/minとなる様に調整します。

800r/min程の回転数を指しておりましたので、規定値である850r/minに調整致しました。

調整ができましたら、EACVカプラを接続した後に、ECUヒューズ（ヒューズBOX一番上の15Aヒューズ）を抜いてECUのメモリをリセットします。

そして、再度エンジンを始動し、無負荷状態、ヘッドライトON（ハイビーム）状態、エアコンONの状態それぞれでアイドリング回転数が規定値の1200±50r/minとなっていることを確認できましたら作業は完了となります。

最後は、アクセルワイヤーの張りを調整します。

本車両は走行距離も少ないため、それほど過大な遊びがあった訳ではありませんが、アクセルワイヤーの張りを規定値に調整することで、よりレスポンシブルなアクセルワークを味わうことが出来る様になるかと存じます。

これにて、エンジンルーム内の確認及び清掃、そして各種調整作業は完了ですので、メンテナンスリッドを元に戻し・・・

清掃したトランクマットを敷いた後に・・・

幌も元に戻せばエンジンルームにおける一連の作業は全て完了となります。

以上、エンジンルーム内の状態確認及び清掃、そしてプラグや補器類の状態確認、点火時期確認、アイドリング回転数調整等を行って参りましたが、本車両におけるエンジンルーム内の各部状態が良好であることが確認できました。

本車両においては、実際のエンジンのフィーリングにおいても力強さやレスポンスなど大変良好であるので、そのことを改めて確認できたという形になりますが、これで安心してBEATが本来持つエンジン性能を味わって頂けるかと存じます。

次回は、続きの作業と言えるエンジン関連確認作業の一つである【エアクリーナーケース確認編】として、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるエアクリーナーケース内のブローバイガスの状態確認及びエアクリーナーエレメントの状態確認を実施致しましたのでその様子をご紹介致します。

では、失礼致します。

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